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ツワブキさんと保健室③

 4限目の数学、智裕は教科書をパテーションにして机に突っ伏して考える。 (そういえば4月から正社員で仕事するとか言ってたけど、ここ民間じゃないし公務員じゃん。いや、そうじゃなくて、俺がこの学校って絶対知ってただろ拓海(タクミ)さん!なんで昨日の今日で黙ってるんだよ。え、ドッキリ?ドッキリなのかこれ?それに美人だし、女子からはイケメンに見えてるみたいだし、そんな人が俺みたいな奴の恋人なのか?昨日と今朝のあの柔らかな感触はドッキリなのか?あーヤバイ、早く授業終われよ!そしたらくっそ問い詰めてやりたい……あ、でも問い詰めたら半泣きくらいになりそう…だけどそれもそれで可愛いし押し倒したくな……やべ、想像したらムラっとする。いや、でも押し倒したところで何をすればいいんだ?男同士ってアレをアソコにズコンとバッコンとして……え、入んのか⁉︎え、どうすんだよぉぉぉぉ!) 「松田、おい!松田!」 「は、はひぃ!」  トリップしてたら真うしろから呼ばれて背筋が伸びて反応した。 「ボケーっとするな。問題集の12ページ、(とい)5を前で書け。」 「は、はいぃぃ!」  慌てて隅に追いやっていた数学の問題集を手に取った。  勿論トリップしていたのでページは真っ白だった。なんとかやるしかない、と黒板で四苦八苦する。 「はぁ……。」 (もう俺の脳みそ動かねーつの。)

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