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マツダくんは常に災難⑦
茉莉ちゃんは若月とのコミュニケーションが楽しいらしくキャッキャとはしゃぐので、茉莉ちゃんのカカトが智裕のみぞおちを容赦なく襲う。
「ぐはぁ!……で、で…用事ってなんだよ。」
「あ、忘れるところだった。これこれー。」
「あ?」
若月はスクールバッグから黒い不透明のド●キの袋を差し出した。そこからガサゴソと何かを取り出しながら説明をする。
「ほら、俺の兄貴ド●キでバイトしてっからさ、こーゆーの割引で良く買ってくるんだよ。兄貴よくクラブとか行ってその辺の女引っ掛けたりするからストックから色々譲って貰ったんだよ……はい。」
「1歳児の視界に入れていい商品じゃねよ!」
「ほらー、ここのスイッチを入れるとね。」
ウイーン、ウイーン
「きゃーーー!あははは!」
「茉莉ちゃん!そんなもの触っちゃダメ!」
「きゃーきゃー!」
「うねうねして面白いでしょー?」
「おぅおぉー!」
「しまえ!今すぐしまえ!」
「はいはい。」
茉莉ちゃんが面白がった電動で不規則に動くソレを若月は何故か宮西に渡した。
智裕は怖くて突っ込めなかったので黙っておいた。
「ツワブキちゃん飲み会っつっても一応今日中には帰るっしょ?娘ちゃんも松田んチに泊まるなら今日マジでチャンスじゃね?」
「………は?」
「だーから、セッ」
「1歳女児の耳にその単語は入れるなあぁぁぁぁぁ!」
「そーゆわけで、その中にローションとコンドームと、ま、使いたかったらローター入れてっから。あと赤マムシドリンクも。」
このド●キの袋を家族に見られたら終わりだと智裕は悟った。
そして茉莉ちゃんの耳は宮西が塞いでいてくれていた。
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