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マツダくんは常に災難⑥
道中、1人で、しかも徒歩で来たことを後悔した。
(そーいや拓海さんチの駐輪スペース、赤ちゃん乗せる用のママチャリあったわ。拓海さんあれで毎日送り迎えすんのか。借りれば良かった。茉莉ちゃんにプラス荷物の重量やばっ!)
たった50m歩いただけで智裕は後悔した。すると智裕の進行方向から人影が出てくる。
「お前バカだろ、年長とかならまだしも1歳児の迎えを学校帰りとか。」
「宮西⁉︎……と若月 ぃ⁉︎」
「よ。」
宮西と一緒にいたのは、金髪のクラスメート若月だった。仲悪くはないが積極的に絡むことは少ない人物だ。
「いやー、松田に用事があったんだけど学校じゃちょっとなぁ…ってことで宮西について来た☆」
「は、はぁ……。」
いわゆるパリピという人種の若月に圧倒される智裕は少し引いてしまうように返事をする。
「この子がツワブキちゃんの子供かー、可愛いなぁ。こんちはー!」
「あうあー!たぁー!」
「おー、これは…ターッチ!」
「たぁーっち!」
若月はクラスでも「コミュ力のお化け」と呼ばれている。その能力は1歳児にも通用したらしい。
茉莉ちゃんは智裕に抱っこをされながら、若月とハイタッチを繰り返す。
「に、荷物……重いぃ…!」
「はい、持つよ。」
「おう、宮西、サンキュ。」
宮西が智之が持っていた手提げとスクールバッグを持ち、智之は茉莉ちゃんだけを持っている状態になった。
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