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マツダくんは常に災難⑤
そしてなんやかんやで次の日、智裕は首から「園児保護者」と書かれた名札をさげて、高校から歩いて10分のところにある保育園の門の前にいた。
丁度お迎えラッシュの時間でママさんたちで溢れていた。そして若い保育士さんが次々と対応していく。
このアウェー感に智裕は途轍もなく緊張してしまっている。
「すすす、すいません!つ、石蕗茉莉ちゃんの保護者代理です!」
なんとか自分の身を名乗ることが出来、少しホッとした。すると若くて可愛い保育士さんがニコッと笑い、智裕は少し照れてしまう。
「はい、伺ってますよ。茉莉ちゃーん、お迎えですよー。」
「あーい!とっとぉー!」
奥の方からダッシュで茉莉ちゃんが出て来た。そのまま智裕にタックルしてきて、智裕は膝にダメージを受けた。
すると年配の女性保育士さんが茉莉ちゃんを追いかけてきた。
「茉莉ちゃん、いきなり飛び出さないのー。」
「とっとぉー!きゃー!」
茉莉ちゃんは智裕のことを「とと」と呼ぶらしい。会えて興奮したのか、智裕の周りで暴れるので大人たちは右往左往してしまう。
「あー、えっと…これ茉莉ちゃんの荷物です。連絡帳は必ずお父さんに見せて下さいね。」
「あ、はい。」
年配の保育士さんに少し大きめの手提げバッグを渡されながら、色々と教えてもらっている間、若い保育士さんが茉莉ちゃんの身なりを整えていた。
靴を履いて、リュックを背負って、準備完了した茉莉ちゃんを抱っこして保育園をあとにした。
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