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マツダくんは常に災難④
例のごとく宮西以外は大絶叫、高梨&増田ペア以外の女子も何人か気絶しかけている。そして男子からは智裕へのブーイングが飛び交う。
「おら!これでいいだろーが!」
智裕がやけくそ気味に叫ぶと女子からは賞賛の拍手、男子からは指笛や「ヒュー」などの野次。そして少しのブーイング。1人の無表情。
そしてやられた拓海は気絶していた。
「た、拓海さん⁉︎ちょっと、し、しっかりしてぇぇぇ!」
「ツワブキちゃんが死んでるぞー!」
「誰かー救急車あぁぁぁぁぁ!」
「何してんだお前ら?」
丁度教室に入ってきた、2年5組担任の星野 先生、通称「ほっしゃん」が何事かと現場に近づく。
「おい、養護の石蕗先生じゃないか。何があった?」
「え、あの、ほら……ひ、貧血!過労!かも?ほら、た、石蕗先生って1人で働いて子育てしてますし!寝不足とかあるんじゃないんですか?」
「そっか。とりあえず保健室で横になった方がいいだろうな。」
星野は社会科担当だが、元アメフト部で190cmのマッチョマンのため、明らか勝ち目がないと判断すると智裕は自分のせいだと言えずに慌てて嘘をついた。
その嘘を(多分)信じた星野は、軽々と拓海をお姫様抱っこで持ち上げる。
高梨&増田界隈からは歓喜の悲鳴が上がる。
「おーい、5限は移動だろ?そろそろ準備しろよー。」
担任らしい言葉を残して2人は何処かへ(保健室へ)行ってしまった。智裕はそれを見送ることしか出来なかった。
(あんな軽々と自然に……なんかモヤモヤするな…。)
「ほっしゃんってさー、ガチムチマッチョマンだけど何気にイケメンだよなー。」
「しかもいい奴だし、35歳バツイチ独身だしなー。」
「収入あるしなー。」
「授業もわかりやすいしいい先生だよな、星野先生。」
宮西たちが畳み掛けるように智裕に口撃をかける。
それにグサグサと刺された智裕は涙目になり普通に落ち込んだ。
そして頭に浮かぶのは。
「あああぁぁぁぁぁぁあぁああああ!」
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