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ツワブキさんの本能(11)(※)
ローションのビニールを剥がしたり、コンドームの箱のビニール包装を取ったり、少々時間がかかって焦っていた智裕の眼前では、いじらしい恋人の慰めが行われていた。
その淫靡で美しい光景にゴクリ、とツバを飲み込んでしまった。
(え、何これマジで何起こってんの?あれさっき俺が使ったバスタオル…をクンクンしながらシコシコしてる感じ?あーね理解した。俺の匂いだけで、真っ赤になって喘いでシコシコして、イくのか?マジで?え、どうしよ、見たい、見ていいのか?見たい!)
智裕はまだ自分に気づかず自慰に夢中になっている拓海の乱れる姿を凝視しながらもフリーズして立ち尽くしていた。
拓海の喘ぎは大きくなり、苦しそうになり。
「あ、や…っ!み、みちゃいやぁぁぁぁ……ああぁぁぁぁぁ!」
バッチリと拓海のとろけた目が智裕の視線と合った瞬間に拓海のソレから白濁が飛び出した。
拓海は脱力してしまう。そして羞恥で顔がまた熱くなる。
智裕はベッドに戻ると小箱をひっくり返して、連なるビニール包装を全て拓海の胴体に落とした。
「な、に……これ……。」
「コンドーム、こんだけあるから。」
トロリとするボトルの中身を自分の右手に垂らし、すかさずそれで拓海の陰嚢の更に奥に触れる。ズプズプ、と人差し指をゆっくりゆっくり侵攻させる。
「ひぃっ!や、な、なにこれぇ…っ!」
「俺初めてだけど、拓海が空っぽになるまで抱ける気がする。」
「んん……あぁ…。」
「痛い?」
「んんん……おなか、むじゅむじゅ、する……はぁ…あぁ、あ……っ!」
拓海は違和感と少しの快感から逃れようと、さっきまでオカズにしていたバスタオルをまるで抱き枕のように扱って、気をやろうとしていた。
智裕は人差し指を入れきると、グルグルかき混ぜ始める。すると拓海の本当のスイッチに触れ、全身に鳥肌が立って、拓海の羞恥から生まれかけた理性の糸は簡単に切れた。
ただ、智裕を求める身体になった。
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