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3馬鹿の閑話【ツワブキさんについて】④
翌朝、2年5組の教室には机に突っ伏している智裕がいた。大竹は智裕の机にアゴを乗せてしゃがみ、智裕の様子をうかがった。
「トモー、何してんの?」
「…………昨日5回シコった。新記録。」
「何だそれ?」
「………俺の天使は天使だった?」
「ツワブキちゃん?ツワブキちゃんは天使だけど。」
「昨日の宮西の話だよ。」
「宮西の………あー、ツワブキちゃんの方がお前よりテクあんじゃね?ってやつか。」
「昨日さー、夜に拓海さんから電話掛かってきてさー、“智裕くんの声が聴きたくなっちゃった♡”って……可愛くね?」
「はいはい、かわいいかわいい………おい、まさかツワブキちゃんに言ったんじゃねーだろうな⁉︎」
「口が滑った。」
「うわー馬鹿だ、馬鹿だこいつ。で、それと5回シコったことと何が関係してんだ?」
「それが……、」
『俺だって24だし……その、女の子との経験は……あるけど……智裕くん……と、の……その……エッチ…が……いちばん、気持ち良い……よ?』
「って言われた。」
「……………はあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ⁉︎」
「その恥じらう声だけで5回イけました。」
「やっぱあれか!前立腺か!前立腺だな!そういうAVあるもんな!そうだよテクとかカンケーねぇよ!前立腺だよ!」
「ははははははは!何とでも言えばいいさ!負け童貞の遠吠えに過ぎぬわ!ははははははは!」
「ぐぬぬぬぬ……っ!あ!椋丞!」
いつのまにか登校していた宮西に大竹が助けを求める。
「トモが調子乗ってるからなんか言ってやってくれよ!」
「あー……めんどくせーんだけど。クソ童貞共。」
「あぁ⁉︎俺は童貞じゃねーっつの!卒業したんだっつの!」
「俺、14で卒業したからエラそーに言われたくねーな。」
宮西が不機嫌な顔をし不穏な空気が流れて、智裕と大竹は恐怖で言葉を失った。
「ぶち犯すぞ。」
「「すいませんでしたゴッドフィンガー宮西様あぁぁぁぁぁ」」
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