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3馬鹿の閑話【ツワブキさんについて】③

「うわあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」  目が覚めた智裕の汗と心拍数は異常だった。呼吸を整えるとベッドに腰掛けて大きくため息をこぼす。 「あんな夢…絶対宮西のせいだ……。」  そう呟いて頭を抱えながらベッドに倒れこんだ。  ブー ブー  枕元に置いてたスマホが振動する。手に取ると画面には“拓海さん”と表示されている。初めて智裕は拓海からの電話を躊躇(ちゅうちょ)した。 (いやあんな夢みたばっかで拓海さんの声とか聞いたら何言っちまうかわかんねーし、俺のムスコなにもしなくてもイッちまうかもしれねーし……あーでもなぁ…気になるような知りたくないような…。) 「もしもし?」 『あ、智裕くん。ごめん、寝てた?』 「ううん、起きてた。どうしたの?」 『え…っと……その、智裕くんの声聞きたくなっちゃっただけで…。』 「そ、そうなんだ。」 (大天使キターーー可愛いーーーー!) 『用もなく掛けてごめんね?』 「べ、別にいいんだよ。俺たち付き合ってんだし、な?」 『ふふ……智裕くんって優しいね。』 「そ、そんなことないってば。俺だって拓海さんに訊きたいことが」 『俺に訊きたいこと?』 (しま………ったあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!馬鹿か俺!訊けるわけねーだろ!た、拓海さんに、俺の声聞きたいって言って電話していた純粋な拓海さんに……馬鹿か俺!あーでも…でも……気になる!) 「ま、茉莉ちゃんのことなんだけど。」 (あーもう何で言葉が出てくるんだよ!) 『まーちゃん?』 「そ、茉莉ちゃん……って……拓海さんの、その、子供、だよね?」 『そうだけど?それがどうかしたの?』 「えっとぉ……。」 (あれ?拓海さん、気付いてない?察してない?) 『ん?』 「た、拓海さんって…その、茉莉ちゃんのお母さんと……その……。」 『あ…えっと……もう別れてるよ?もしかしてそれ気にしてたの?』 「いやいやいや!そうじゃなくて!」 (あ、やばし、ヘビーな話になるぞこれ。違う!そういうことじゃねーんだって!) 『じゃあ……何?』 「拓海さんって俺より経験あるでしょ?だから俺より拓海さんの方がお上手なのかと。」 『へ?』 「あ。」

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