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ツワブキ親子の楽しい休日⑦
視線を高梨に戻すと、高梨だけでなく宮西以外の全員が興味津々な眼差しで拓海を見つめていた。
「なんで…そんなこと訊 くかなぁ?」
「だって先生くらい美人でしっかりした人ならぶっちゃけ松田くんよりもっと良い相手いますよ。男女問わず。」
「松田 なんて成績は中の下だし、アホだしヘタレだし、顔も中の中のモブ顔だし……ねぇ。」
(なんか薄々感じていたけど、みんな智裕くんにすごく辛辣だなぁ…。)
「しかもツワブキちゃんが付き合い始めた日って、トモが家の鍵落として締め出されてるとかダサすぎでしょ。」
「だからさ、2人のこと応援しつつもこれってクラスの七不思議だったんだよねぇ。」
「えー…っと……。」
4人の視線が痛くて、逃げられない。
「じゃあさ、ツワブキちゃんは智裕のどこがカッコいいと思ってるの?」
「へ⁉︎あ、え、っと………顔、とか、手とか……全部かなぁ。」
4人は拓海がそういうので、なんとなく智裕の顔や体を思い浮かべるが、まったくピンと来なかった。
拓海が顔を真っ赤にしていたら丁度茉莉と自分の料理が運ばれてきた。なんとなくそれ以上の詮索を回避できた。
「いあーあー!」
「はい、いただきます。」
「え⁉︎椋丞、今のでわかんのかよ⁉︎エスパーか!」
「普通にわかるだろ。ね、ツワブキちゃん。」
「いや、すごいよ、宮西くん。俺もわかるまで3日かかったもん。」
「おいちー!」
「まだ食べてないでしょうが。」
茉莉がはしゃぐとつられて周りも楽しくなっていた。
拓海は外食で久しぶりにゆっくりと料理を味わうことが出来て、それを噛み締めていた。
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