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拡散されるマツダくん①

 その日の夜、夕飯を食べ終わったあと、松田(まつだ)家に来客があった。智之(トモユキ)が対応すると、いたのは宮西(みやにし)の弟、大介(ダイスケ)だった。 「大介?どうしたんだよ?」 「ちょっと、お兄さんに話があって…上がってもいいか?」 「お、おう。にーちゃーん、大介ー!」  智之が呼ぶと、智裕(トモヒロ)が部屋から出てきた。 「なんだよ、宮西弟その1ー。」 「こんばんわ、ちょっとお兄さんに確認したいことあって来たんですけど。」 「おー……じゃあ智之の部屋入れよ。コーラでいいか?」 「お構いなく。」  さも当たり前のように智之の部屋に集まり、智裕はコーラを注いだグラスを3つ持って大介と智之に渡す。  部屋にテーブルはないから、机や床に雑にそれらを置くと、大介はスマホを取り出した。 「さっきSNSで流れてきた動画なんですけど、これお兄さんですよね?」  大介がスマホの画面を見せて、タップすると動画が再生された。智之も覗き込む。 「これ……っ!」 「これマジでにーちゃんじゃん!」 「え⁉︎マジで⁉︎ちょっと待てや!」 「待ってって言ってもこれもう何万も拡散されてますよ。」 「はぁあ⁉︎なんで⁉︎」  投稿された書き込みを見ると、大介の言う通りに既に2万以上の拡散をされていた。スクロールしてレスを確認する。

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