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昔のことを話そう【オオタケくん】(11)
「なにこの百合百合しい!受け子同士…!あーでも大竹じゃなきゃもっといいんだけど。」
「何してんだこの変態!」
「そこにBLがあったから!」
「山登りみてぇに言うな!つかそれ絶対ぇ増田に見せんなよぉ…!アイツ漫画描いてんの知ってんだぞ!絶対ぇネタにされるからやめろ!」
「はぁ⁉︎増田さんには見せるに決まってるじゃん!」
「ふざけんなあぁぁぁぁ!」
言い合いをすると高梨はベッドの上に持ってきた裕也の荷物を放り投げた。
そして、泣いている拓海の背中にそっと触れる。
「ツワブキちゃん、うちらはツワブキちゃんの味方なのは嘘じゃないから……大丈夫だよ。」
「高梨さん……大竹、くん……。」
「なんだったら俺に乗り換えてもいいぜ。」
「あんたは赤松くんがいるでしょ。」
「俺は守ってやりたい派なの!」
拓海越しに喧嘩をする高梨と大竹のやりとりに思わず笑って涙も自然と引いたようだった。
「智裕くんは…こんなにもあったかいお友達や家族がずっと一緒だったから……とても優しくてあったかい人だったんだね。」
その拓海の言葉に、2人は少し恥ずかしくなる。
「ツワブキちゃん、ホント過大評価しすぎ。どんだけベタ惚れしてんだよ。」
「聞いてるこっちが恥ずかしいですよ。」
「ごめんね……2人とも、ありがとう。」
(心臓も背中もあったかい……縋って、いいのかな……俺は……。)
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