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ドキドキ☆クラス対抗水泳大会③

「よーい、スタート!」  最初の競技が始まると、みんなそちらに目が向く。一起はクラスを引っ張るように応援を始める。落ち込んでいた智裕もクラスの輪に入って応援をする。  しかし智裕はチラチラと見学者のいるスペースを見てしまう。そしてそれは智裕だけでなくちらほらといる拓海に魅了された生徒たちもだった。 (おいおいおい、俺の拓海さんの体を見てんじゃねーよ!つーか拓海さんもなんであんなエッロい格好してんの⁉︎何俺試されてんの⁉︎大会終わるまでお預け食らってんだぞこっちはよぉ!あー拓海さん抱きてぇ今すぐキスしてぇ俺のもんだって見せてもいいんだけどさ!)  悶々と思考を巡らせているうちに5組は3着でゴールした。 「次は平泳ぎだぞー。」  裕紀の呼びかけで次の6人が準備を始める。その中には里崎(さとざき)と一起とチャラ男の若月(わかつき)がいた。男女どちらともの熱視線は5組に集中していた。 「やっべー、ヨーコさんが綺麗に見えるわー。」 「若月もなんかいつもの3割り増しだな。」 「うちのクラス、あんなに容姿のレベル高かった?」  他のクラスからの「江川くんファイトー!」などの声援が多かった。  その現状に裕紀の心中は穏やかではなかった。 (あいつ、あんなにモテやがって……つーか一起の裸みてんじゃねーよガキども。なんで増田は俺の方を見てるのかわかんねーけど。終わったら準備室でお仕置きしねーとな。)  スタートをしてからは尚の事、3人に送られる声援は大きくなった。智裕も3人を野次りながらも応援する。
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