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マツダくんへのご褒美⑩(※)

「あああぁ……拓海、吐き出して!マジできたねーから!」 「んぁ……やだ……智裕くんの……全部、俺のだから……。」  口からこぼれた白濁も指で掬って、舐める。拓海には不快感は一切なかった。  その唇を貪りたくなるが、おそらく自身の苦味が残ってるだろうと懸念した智裕は、ベッドサイドに置かれたショートケーキを素手で一口分掴む。 「拓海、あーん。」 「ふぇ……あ、あー…んぅ。」  拓海の開いた口にケーキを突っ込むと、すぐに指を引き抜いて代わりに唇で塞いだ。  互いに舌を絡めて、ケーキを溶かす。文字通りに甘いキスを求めた。 「ん……はぁ…んん……。」  拓海の口から漏れる吐息と声が色っぽい。  そして拓海の指先が智裕のシャツに縋る。キスから解放すれば拓海の頬は紅潮し、目は熱を持ってウルウルとしている。 「ちょー可愛い顔になってる……。」 「あ……また……おっきくなってる……。」 「拓海に触るだけで興奮するからね、俺。」 「えへへ……うれしい……。」  拓海は膝立ちをすると、智裕のシャツを脱がせた。そして大好きな智裕の首筋に顔をうずめる。 「拓海、いっつもそこに鼻つけるけど……好きなの?」 「だって…智裕くんの匂いがいっぱいするもん……。」 「汗臭いっしょ?」 「ううん……今日はすごく甘いの……。」  首筋と鎖骨の交差する箇所に拓海はチュウと強く吸い付き、赤いシルシをつけた。  智裕もお返しと同じ場所に拓海へシルシを贈った。

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