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ツワブキさんの本性②

「いやいや行かないから。俺ここにいるでしょ?」 「でも……智裕くん……セクシーなお姉さんが、タイプだって……エッチなビデオとか、そういうの好き、って……。」 「ちょっとそれ誰情報?」 「ほ、ほしの、せんせぇ……うぅ……。」 (拓海さんに何吹き込んでくれてんじゃー!事実だけど!) 「もー…そんなこと鵜呑みにしなーいの。ね?俺は拓海さんが1番好きなんだから。」 「うう……ぐすっ……ほんと?」 「ホント、マジ、絶対!……何したら落ち着く?」 「……抱っこして。」 「はい、抱っこしよーね。」  ぎゅーっとあやすように智裕は拓海を抱きしめた。 「えへへ……智裕くんいい匂い…。」 「そう?」 「本当に、ぼくが1番?」 「うん。」 「エッチなお姉さんより?」 「当たり前だし。」 「エッチなお姉さんのビデオとか見てない?」 「見てないよ。」  食い気味にそう言うが、智裕の僅かな良心に嘘というナイフが刺さった。

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