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激闘の日【試合開始前】②

 第2試合が終わり、グラウンド整備と並行で馬橋、四高のウォーミングアップが始まった。注目されるのはそれぞれのベンチ前でキャッチボールをしている両校のバッテリーだった。  まだ先発オーダーは発表されていないが、殆どの観客の予想通りの先発投手が準備を始めていた。  多くの人がスマホやカメラを向けてその光景を記録する。  パシッ 「よーし、もうちょい肩の力抜けよ松田。」 「ああ。」  パシッ 「おっしゃ!」 「自画自賛やめぇやハチローさん!まだ少し走りすぎや!」 「わかっとるわー。」  パシッ (絶対、負けないですよ、八良先輩。マジでいきますから!)  パシッ (楽しいなぁ…トモちんとの投げ合いかぁ。絶対負けへんよ。)  パシッ 「次!」  パシッ 「アレ投げて下さい!」  パァンッ  2人は全く同じタイミングで鋭いストレートを放った。観客は思わず歓声を上げた。

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