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激闘の日【試合開始前】①
午後になり、甲子園球場の駐車場に馬橋学院のバスが2台停まった。
それらを待ち構えていたカメラや記者、一般の人々も押し寄せて警備がロープを張り規制をかけ騒然とする。
「あれが馬橋と四高 ?」
「みてぇだな…うひゃー、すげーな。」
一起と裕紀は遠くからその騒ぎを見ていた。
集団からは「松田ー!」「中川ー!」などと叫ぶ声が出てくる。
「松田…大丈夫なのか?」
「石蕗先生との破局を乗り越えたんだから大丈夫だろ。」
「いや、あんま関係ないような……。」
「そうか?」
一起の手をそっと取り、入場口へ向かった。
「裕紀さん、手…人が……。」
「いいじゃねーか、新婚旅行なんだからよ。」
「な…俺らいつ結婚した?」
「これからこれから。」
飄々とする裕紀の手は熱くて、自然と一起はキュッと握り返した。
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