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アカマツくんの悔恨④
「ごめんなさい……もっと……俺が、俺がぁ……!」
「そうだよ!もっと打てよ!全打席ホームランとか打てよバカ!」
「すいませんでした!」
「悔しいだろバカ!」
「悔しいです……すごく、すごく……っ。」
直倫は裕也の方をゆっくりと振り向いて、裕也にすがりついて、裕也は膝立ちして小さくなった直倫を抱き締めた。
(こいつが背負ってたものはトモが背負わされた重圧とかと同じ、だよな……堂々として、凛として…だけどこいつはまだただの16歳で……。)
「この肩には…重いよな。」
その呟きに直倫が顔を上げると、裕也は目尻の涙に口づけ、コメカミ、そして、唇にも優しく触れた。
「頑張ったな……直倫。」
裕也は直倫のサラサラな髪をクシャリと撫でた。
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