680 / 1000

動き出す夏の恋②

「なんか悪寒がするんだけど。」 「夏風邪とかやめてよ、バカのくせに。」  メッセージを送ってきた裕也は高梨(たかなし)智裕(トモヒロ)一起(カズキ)と一緒に裕也の部屋に集まってた。 「トモ、カッちゃんは?」 「オッケーだってよ。」 「増田さんもオッケーよ。」  4人は明日のお出かけに際しての作戦を立てるために集まっていた。 「しっかし…増田さんがカッちゃんにねー。」 「いや、もう野球部を掛け持ちした時点で気付くでしょ。あの運動オンチの増田さんが野球部だもん。」 「野村くんも涼しい顔してるけど、何処からどう見ても…だよな。」 「…………何が?」  話についていけていない智裕はポカンとしていた。 「出た鈍チン野郎。」 「お前そんなんでよくツワブキちゃんと付き合えてんな。」 「松田はちょっと人の気持ちを汲めるようになった方がいいぞ。」 「いやいや…なんか作戦たてるとか意味わかんねーんだけど。」  手元に置いてたコーラを一口飲んでふてくされる智裕に高梨は「はぁ」とため息を吐く。

ともだちにシェアしよう!