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動き出す夏の恋③

「こいつにはちゃんと言っといた方がいいわね。明日のラ●ンド1はカッちゃんと増田さんラブラブ大作戦なのよ!」 「……野村と、増田さん…え、えええええ⁉︎どっちが片思いしてんの⁉︎マジで⁉︎」 「両思いに決まってんだろこの鈍チンクソ野郎!」 「知らねーよ!確かに2人で一緒のこと多かったけどそれはマネージャー同士だったからだろ?」 「そーれーがー!好きになったキッカケかもしれないでしょ!」  裕也の部屋の粗末なローテーブルをガンガン叩いて高梨と智裕の熱論が繰り広げられる。 「テーブル割れる!やめろ!」 「というか午後8時に近所迷惑だと思うんだが…。」  間に挟まれる一起と裕也は止めようとするが御構い無しに2人はヒートアップする。 「そんだけ2人でいれば!好きになっちゃうのも必然でしょうが!」 「ごめーん!俺拓海さんと離れたけどちょーちょーラブラブだしぃ!大好きだしぃ!」 「アンタの惚気なんか聞いてねぇんだよ!つーかアンタだって一晩中密室にいたから好きになったんじゃないの⁉︎」 「違いますぅ!拓海さんが『俺…智裕くんのこと、好きなんだ。』って健気に告白してくれたから好きになったんですぅ!」 「モノマネか!キモッ!」 「キモくありませんー!」  話がだいぶズレたので一起は智裕の首根っこを掴んで不毛な言い争いを収束させた。

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