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マツダくんのデブエット作戦②

 プルルルル プルルルル 『はい。』 「あああああ赤松!お前体重何キロ⁉︎」 『はぁ…今朝は80.1kgでしたけど。』 「え゛⁉︎おま、75kgとかじゃなかった?」 『今後の為にスタミナアップの為に増量してますよ。それに身長も伸びたし俺はもっと増やさなきゃダメなんですよね。』  智裕は自分と同じくらいの身長の直倫に救いを求めたが、自分より遥かに仕上がっていることを知ると半泣きだった顔が完全に崩壊した。 「どおじよおぉぉぉぉ!赤松う、俺、俺ぇ……体重減っぢゃっだあぁぁぁぁぁ。」  電話をしながらアホみたいに泣き出して、スマホのスピーカーからは呆れたようなため息が溢れていた。 『えっと、何kgだったんですか?』 「ろくじゅうななぁ……。」 『67……67ぁぁぁぁぁ⁉︎』  流石の直倫もあまりの衝撃に滅多に上げない大声で驚いた。 『……松田先輩って75kgくらいまでありましたよね?』 「ゔん……。」 『何でそんな減ってんですか!』 「わかんない……ちゃんと飯食ってんだけど……グスッ。」 『……参考までに今日の1日の食事、教えて下さい。』  智裕は今日1日の食事を思い出す。 「朝、ご飯1杯に目玉焼き1個と味噌汁、朝トレーニングしてカロリー●イト2本、昼にカップ焼きそばの大盛り、それから大竹たちとバーガー2個とドリンクM、夕飯はご飯2杯と天ぷら。」 『……ご飯ってお茶碗ですか?』 「あ?茶碗に決まってんだろ。」 『先輩も馬橋学院の食事を目の当たりにしましたよね?俺たちは客人だったから丼1杯でしたけど、普段は1年生は3杯、3年生でも2杯がノルマなんですよ。』 「あのマンガ盛りの?」 『そうです。』 「俺、1杯で吐きそうになったんだけど……。」  思い出すだけで苦行のような食事、智裕はえづきそうになった。

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