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オオタケくんたちの憂鬱①
「おい、このボケナスコンビが。」
職員室で2年5組の担任の星野は非常に不機嫌だった。
そしてその星野の前に立たされているのは、裕也と宮西の凹凸コンビだった。
「来年お前らは就職クラスに行くことはわかってる。それにしてもこの成績は正気の沙汰とは思えんな。」
「俺らだけじゃないじゃん。」
「松田もバカじゃん。」
「よし、じゃあお前らと松田の差を教えてやろう。アイツは部活動での活躍、そして日本代表強化指定選手、その肩書きだけで評価がうなぎ登りなんだよ。お前らはその松田とトントンな成績で帰宅部、特に学校での活動は無し、これがお前らと松田の差だ。」
的確に正論を言われて2人はぐうの音も出なかった。
「そういうことだ。今年の文化祭実行委員、やってもらうからな。ファストフード店でダラダラしてた時間を学校奉仕に有効に活用しろ。」
「えーーーー!」
「やだ、めんどい。それに俺は、」
「このことは里崎にも伝えてるからな、逃げても無駄だ。」
宮西も既に外堀が埋められていた。宮西は堂々と星野の目の前で舌打ちをした。
星野は宮西のコメカミを拳骨でグリグリと押さえた。
「明日会議室で実行委員の会議あるぞ。サボったらマジでぶっ殺すから。」
「ねぇ、教育者として殺人予告はどうなの?」
「ボケナスに人権はない。」
「わかった…から…ほっしゃん……痛い…離して…。」
2人は顔を青くして職員室をあとにした。
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