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オオタケくんたちの憂鬱⑥
昼休みにはいつものように宮西と智裕と購買でパンを買って昼食を摂っていると直倫が2年5組にやってきて、裕也を膝の上に乗せる、いつも通り。
「裕也さん、どうして文化祭実行委員なんてやるんですか?」
「ガチムチパワハラ教師からの脅迫だよ。」
「バカなんだから学校行事を有意義に過ごせーだってよ。」
「そうなんですか。」
「どーせお前らには関係ねーんだろうけどな。特にトモはな。」
「文化祭かー……今年は拓海さんとデートしてぇなー。」
智裕はコーヒー牛乳を飲みながら妄想に耽 っていた。
校内をチョコバナナを食べながら手を繋いでウフフと歩く自分と拓海を。
「松田くん、楽しい妄想のしているとこ悪いけど今日から松田くんは清田くん主導の打撃練習チームに入るからね。」
「はあぁぁぁぁ⁉︎俺はバントでいいんじゃ、」
「は?何言ってんの?堀先輩たちの抜けた穴が大きいんだから仕方ないよね?レギュラー経験者がしっかりしないと1年に示しがつかないんだけど?」
現実に引き戻した魔王・野村はニコニコと冷たく言い放つと、智裕の肩に手を乗せた。
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