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オオタケくんたちの憂鬱⑤
翌日、裕也はいつものように登校して教室に入ると野村と増田の野球部マネージャーコンビが裁縫をしていた。どうやらボールの補修らしい。
「おはよーっす。カッちゃんと増田さん、お疲れだなー。」
「もう少ししたらまた練習厳しくなるし、俺たちも修学旅行あるしな。」
「だから今のうちにやっておかなきゃね。マネージャー2人しかいないし。」
作業をしている2人は縁側にいる老夫婦のような雰囲気もあった。
「2人と、松田は文化祭の準備って無理な感じだよな。」
「そうだねー…あと私は文芸部の部誌の製作もあるし、クラスの方は難しいかも。」
「俺も琉璃 ちゃんがいないときは1人だからな。今1年生でマネージャー募集してるんだけど、練習が厳しい部だから希望者いないんだよね。」
「そっかー…。」
(こういう聞き込み、地味に役立つかもしれねーな。)
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