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生徒会長・カジヤ先輩①
そんなこんなで放課後になり重い足取りで裕也と宮西は会議室に向かった。
入ると長机とパイプ椅子が丁寧に並べられ、1席1席に資料のプリントが置かれている。「2年5組」という立て札がある席に2人は座った。
「うわ!5組、江川と里崎じゃねーんだ。」
「あの人、里崎さんの彼氏じゃん。」
「何で大竹?」
「絶対罰ゲームだあれ。」
こういう集まりでは「2年5組=委員長ズ」というのが定番になっていたようで2年の他クラスから裕也たちは驚かれた。
「椋丞、帰りたいんだけど。」
「右に同じ。」
席が半分くらい埋まった頃合いに、生徒会のメンバーが会議室に入ってきて、ホワイトボードの前にある長机に着席した。
「あ、野球部の堀先輩、眼鏡かけてる。」
「マジか。あの人も文武両道人種かよ。」
「つーか生徒会長、俺よりチビだろ。」
「ツワブキちゃんのせいで美人が霞むなぁ。」
教養のない2人の偏見トークがヒソヒソと展開する。全クラスの実行委員が着席したことを確認すると会議は始まった。まずは生徒会と文化祭実行委員長の自己紹介からだった。
「生徒会長の加治屋 です。みなさん大変でしょうが今年も文化祭をより良いものにする為に御協力をお願いします。」
生徒会長、加治屋の挨拶に皆拍手をした。女子生徒は小さな黄色い声で噂をした。
「やっぱ生徒会長可愛いよね。」
「あの髪の毛のツヤと白い肌に細い体、羨ましー。」
養護教諭の拓海が来る前は、この加治屋が四高一の美少年と謳 われていた。
男女問わず、拓海と加治屋のツーショットを夢見る生徒も少なくない。
(美人さんだなぁ……女だったらモロタイプだわ。)
裕也の脳内は結構節操がなかった。
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