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生徒会長・カジヤ先輩④
裕也が困惑していて、それを椋丞が盗撮してクラスのグループ通信に画像を送信していると、生徒会室のドアが開いた。
「あ。」
「あ。」
「……君たちは…松田の友達、の……千翼 、泣いてんの?」
入ってきたのは眼鏡をかけた副会長で野球部先代主将の堀だった。
堀は不思議そうな顔をして裕也に縋る加治屋を見ながら2人に近づく。
「堀くん……あのね、ゆーくん……僕のこと覚えてないって……うええぇん…。」
「お前なぁ…18歳男が、うえーん、とか泣くなっ!キモい!」
堀は泣いている加治屋の頭を片手で持ち、容赦なく裕也から引き剥がす。その姿に裕也と宮西は青ざめた。
そして堀は加治屋の頭をそのまま机に押さえつけた。裕也と宮西は開いた口が塞がらない。
「悪いな、コイツ計算でこういうぶりっ子する悪魔だから。」
「………チッ。」
堀の言うことは本当だった。2人にも加治屋の盛大な舌打ちが聞こえた。
「……もしかしたらヨーコさんと高梨なら覚えてるかもしれねーぞ。」
「ヨーコさんと高梨ぃ?」
何かを思い出した2人は、声に出しながら記憶を確定させようとする。
「ヨーコちゃんとユリちゃんは絶対分かってくれるもん!ゆーくんとりょーくんが意地悪なだけだもん!」
「おい千翼、その口調やめろ反吐がでる。」
「うるせー堀、しばくぞ。」
宮西と裕也は珍しく意見が一致した。
(帰りてぇ……!)
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