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生徒会長・カジヤ先輩③

 すると加治屋はニコニコしながら、裕也の方に抱きついた。 「あひゃ⁉︎」 「ゆーくんにまた会えて嬉しいなぁ!」 「ゆー……くん?」  突然の「ゆーくん」呼びに当人は固まり、宮西は横を向いて宮西なりの爆笑を堪えていた。  現在、裕也のことを下の名前で呼ぶ家族以外の人間は恋人である直倫だけで、その直倫は「裕也さん」と呼ぶ。    むかーし昔に里崎と高梨からは「ゆうやくん」と呼ばれていたが。 「ゆーくん、約束覚えてる?」 「は?へ?いや、そもそも俺生徒会長のこと知らないですけど。」 「え……何で?僕は忘れたこと…ないのにぃ…。」  加治屋は幼い子供のように泣き出してしまった。こうなると完全に裕也は悪者だった。 「あーあ、なーかしたなーかした。」  宮西は棒読みで手拍子しながら裕也を責める。 「りょーくんもだよ。僕のこと忘れたの?」 「りょー…く、ブフッ!」  矛先が宮西に向くと今度は裕也が爆笑を堪える。 「何すか、夢で会ったとか無しですから。」 「なんだそのロマンチックな反論。」 「違うもん!何で2人とも忘れちゃったのぉ……酷いよぉ…。」  また泣き出す加治屋は、裕也にすがりつく。 「のおぉぉぉぉぉ…⁉︎」 「いやー、こんな美人会ったら5年くらいは忘れないと思うけどなぁ。」 「椋丞!お前絶対思い出す気ゼロだろ!」 「ぐすっ……ゆーくん、思い出してよぉ……。」 「ええぇぇぇぇ……。」

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