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生徒会長・カジヤ先輩⑥
部活後、部室でメッセージを確認した智裕は着替え終わった野村に声をかけた。
「野村ぁ、クラスのグループ通信見た?」
「え?まだ見てないけど。」
野村はカバンからスマホを出してすぐに確認する。
「生徒会長が俺たちの知り合い?なんで大竹くんが?」
「いや絶対関わりねぇよな。生徒会で面識あるとしても堀先輩だし……。」
「生徒会長の名前って、誰か知ってる?」
野村が声をかけると、上半身裸でデオドラントスプレーをかけている川瀬が答えた。
「確か、加治屋千翼じゃなかったっけ?」
「加治屋ぁ?そんな奴小学校にいたか?」
「あ、加治屋先輩は俺いた中学の生徒会長やってたぞ。」
智裕とも野村とも違う中学校出身の香山が教えてくれた。
「香山ってバス通学じゃねーか。」
「まぁな。それに加治屋先輩って俺と同じ町内だし。」
「じゃあ俺らの家と離れてんじゃん。絶対知り合いじゃねーよ。」
「だねー……ん?チヒロ?」
「……え?野村、どうした?」
野村は「うーん。」と考え出した。そしてしかめ面のまま上を向いて話す。
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