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2年5組男子カラオケ大会⑤
「野球バカ2人はもういいや。次はぁ…おぼっちゃま片倉!」
「だからそのおぼっちゃまやめろ。じゃあ…無難にこの曲を。」
片倉のお陰でその後はマトモな、今ドキ男子高校生らしいカラオケ大会になっていった。
『フワーハハハハハーッ!お前も●人形にしてやろうか!』
しかし安パイだと思われていた宮西の十八番に全員ドン引きした。
「俺さ、宮西とは3歳からの付き合いなんだよね。」
「俺も6歳からなんだよね。」
「宮西が閣下なんて一度も聞いたことねーぞ。」
「右に同じ。」
全員が歌い終わるが、若月は更に頭をかかえた。
「もうお前ら全員フツーすぎてだめ!論外も何人かいるし、はぁ……今年はボーカル無しか?大竹ー、なんか情報ねーのかよ!」
「3組の西崎がクソ音痴なのは知ってる。あと歌上手いって聞くの女子ばっかだぞ。」
「女子かー…もう女子でいいかなー。」
その選択肢の出現は若月にとっては嬉しい悩みだったが、一斉に批難を浴びる。
「それはダメだ!」
「絶対お前がつまみ食いするだろ!」
「他のメンバーはそれ見越してんだろーよ。」
「ヤリ●ンには野郎が似合いなんだよ!」
すると一起が松田の方を向いて訊ねる。
「石蕗先生なら知ってそうじゃないか?女子からよく話聞いたりとかしているし。」
「あー…あり得るかもな。今拓海さん電話出るかな?」
智裕はスマホを取り出して早速拓海に電話をかける。
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