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2年5組男子カラオケ大会⑥
5コール目で拓海と繋がった。
『智裕くん?どうしたの?』
「あー、拓海さん。今電話平気?」
『うん。大丈夫だよ。』
いつのまにか横に座っていた若月が「スピーカーにしろ!」とせがんできたので、智裕は嫌がりながらスピーカーモードにした。
「やっほー♪ツワブキちゃーん!5組のチャラ男こと若月でーす♪」
『え?若月くん?なんで?』
「つーか今5組男子大集合中だよーん。」
『そうなんだぁ…本当に仲良しだね。』
「あーもーツワブキちゃんかーわーうぃーいー♡」
「とっとと本題に入れ。」
調子に乗り出した若月を諌めるように一起が頭を叩く。代わりに智裕が話を切り出した。
「拓海さん、うちの学校で歌の上手い男子って知ってる?」
『歌の上手い男子?』
「女子がキャーキャー騒いだり噂になってたりとかでいいんだけど。聞いたことない?」
『歌が……うーん……あ、思い出したけどぉ……。』
拓海は考え出した。そんな迷う声も可愛く感じる智裕は鼻の下が伸びていた。
「松田、顔キモい。」
「うるせー!」
『生徒じゃないんだけど、星野先生がすごく歌が上手だって聞いたことあるよ。』
意外、しかも身近な人物過ぎて全員固まった。
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