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2年5組男子カラオケ大会⑦

 数秒の沈黙後、叫んだ。 「嘘だろーーー⁉︎」 「あのガチムチがカラオケ王⁉︎」 「ガチムチだから音痴じゃねーの⁉︎」  電話の向こうの拓海はあまりの音量に耐えきれずスマホを耳から離してしまったようだった。 「え⁉︎拓海さん、それどこ情報⁉︎」 『何処っていうか、古文の吉田先生から聞いただけだよ。吉田先生と星野先生、同じ大学で同級生らしいんだけど、大学時代に文化祭とかで軽音楽部の助っ人で歌ってたんだって。ギターも弾けるってさ。』 「ほっしゃんがギターあぁ⁉︎」 「ブフッ!にあわねぇ……。」 『詳しいことは吉田先生に聞いた方がいいかもね。俺は見たことも聞いたこともないし。』  男たちはとんでもない情報を握ってしまった。  この時、拓海は事の重大さに気が付いていなかった。

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