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ホシノ先生の声①
翌朝、裕紀 はホームルームの始まる5分前に、休み明け特有のダルそうな顔で教室に入った。
(くっそ…一起の奴、昨日めちゃくちゃ抱き潰す予定だったのによぉ……クラスの親睦会なんで無理です、とか。俺よりあの馬鹿共を取ったのが気に食わねーなー……あー、一起とセックスしてぇ…。)
「おーっす、全員来てるかー……………何これ。」
裕紀は一瞬で目が覚めた。
黒板の前には教卓がなく、替わりにパイプ椅子が1脚とその隣にアコースティックギターが置かれていた。
「なんだこれ、ストリートライブでも始めんのか?」
「ささささ、星野先生様、こちらにどうぞ。」
若月と宮西の2人がかりで裕紀をパイプ椅子に座らせた。
「は?いや、これ何?」
訳が分からない裕紀はキョロキョロとしながら状況を把握することで精一杯だった。
「いや、とある情報通からほっしゃんのおもしろ……意外な特技を聞いたからこれは文化祭実行委員として検証する義務があります。」
「おもしろいとか言ったなお前。いや文化祭?話がまるで見えないんだが。」
「星野裕紀!お前は完全に包囲されている!今からそのギターで十八番を語り弾いてもらうぞ!」
「はあ⁉︎」
裕紀は思わず間抜けな声が出てしまうくらいに呆気にとられた。
ズバッと決め台詞のようなものを吐いた裕也の後ろで2年5組全員が惜しみない拍手を送っている。
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