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ホシノ先生の声②

「そんなん学生時代にチョロっとやってただけで今は全然触ってもねーんだから出来ねぇっつの。」 「じゃあアカペラでいいから!歌!十八番!お願いします!」 「ほっしゃんの歌ききたーい。」 「歌えー!」  約40人vs1人、拳の勝負ではないから圧倒的負けだった。特に女子の期待オーラは裕紀にとっては凶器だった。 「わーったよ!1回だけだからな!」  裕紀は出席簿を乱暴に床に置き、立て掛けられたアコースティックギターを手にした。  慣れたように弦に挟まれたピックを取って1本1本爪弾(つまび)いてチューニングを簡単にする。 「ほっしゃん、マジで弾けるんだ⁉︎」 「チューニング姿が……。」 「想像よりは似合ってる。」  そしてギターを構え、呼吸を1つ大きくして、ギターをかき鳴らし始めた。

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