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ツワブキさんのイヤイヤえっち③
「智裕くん……。」
拗ねた智裕に少しばかり怯えた拓海はベッドに横たえられると少しだけ震えた。
智裕は拓海のTシャツを脱がせて自分もTシャツだけ脱ぐと、そのまま拓海の隣に寝っ転がり、そっと拓海を抱き寄せた。
「ふえ…?」
「あーホントだ……拓海、疲れてるね。」
智裕は拓海の頬に手を添えて、労わるようにフニフニと触る。その感触が拓海には心地よくて、猫のように自然と智裕に甘える。
「茉莉ちゃん、何でもヤダヤダの時期かぁ……そういや、宮西んトコの双子もそんな時期あったな。」
「え、何で智裕くんが宮西くんのこと知ってるの?」
「俺と優里と大竹とヨーコさんも双子の子育て巻き添えにされたんだよ。マジで宮西のかーちゃん容赦ねぇからさ……あれは悪魔だったわ。」
苦い過去を思い出して乾いたように笑うと、拓海をギュッと抱きしめて拓海の額やツムジに軽くキスをした。
「大丈夫、拓海はいつも頑張ってる。というより頑張りすぎ。拓海が倒れちゃったらもっと大変でしょ?」
「うん……。」
「だからこうして…俺が甘やかしてあげるから、ね?」
甘い、甘い、キスを拓海の顔中に降らせる。
「拓海、どこ触って欲しい?」
「ん……えっと……わかん、ない…。」
戸惑う拓海の滑らかな肌をスルスルと撫でながら、何度も唇にキスをして、智裕が拓海を組み敷く体勢になる。
「わかんないって言われるとさ、俺もどうすればいいか分かんないんだけど。」
「そんなの……って……。」
(わかんないよ……僕も……。)
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