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第55話

結局一日中ベッドでごろごろしていた。 ちょこちょこ佑嗣からくるメッセージ。 心配性過ぎない? 届いたメッセージを見てクスッと笑った。 そして陽も沈みかけたところ、インターホンが鳴った。 玄関を出ると、そこには佑嗣が居た。 「引いたじゃん」 すぐに目のことだと分かった。 「うん、あれからも冷やしてたから」 「大丈夫?」 「心配し過ぎだよ」 「だって瑛翔は「弱いって話はもういいから。恥ずかしいし」 二人して笑った。 昨日はあんなにどうしようもないくらい悲しくて苦しかったのに、佑嗣のおかげで今はそこまでじゃない。 佑嗣が居てくれて本当に良かった。 「明日は学校行くから」 「ん、朝迎えに来ようか?」 「…お願いしようかな」 珍しく甘えると、佑嗣は少し驚いたように目を開いたけど、すぐにきゅっと細められた。 「了解」 その後は、今日の学校の話は一切せず、他愛もない話をして、佑嗣は帰って行った。 祥馬も今頃家に着いた頃かな… いや、桐崎さんと会ってるかもしれない。 なんて、気づけば祥馬のことを考えていて、頭を振った。 やめやめ! こんなんじゃいつまで経っても忘れられない。 考えないようにしなきゃ。

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