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第8話 蒼黄金
綺麗な面差し。
そして川のように蒼く流れる髪に……美しく輝く黄金の瞳。
一目で人ではないとわかるその姿。
「…誰……?」
思わず尋ねていた。
「聞いているのはこっちだ。お前こそ誰だ」
確かに……。
「あ……ひ…翡翠……です。麓の村の……」
「なるほど。で、なぜここにいる」
なぜ……。何と言ったらいいかわからず、言葉に詰まる。
「いや、言わなくてもいい」
「え……?」
「言わなくても大体察しはついた。」
今なんて……?なぜ…。
「見たところ、その麓の村での嫌われ者といったところか。傷だらけの上、身なりもみすぼらしい。村人から追い出されここまで来た。そして泉の変化を見て、慌てて逃げようとして転んだ。こんなところだろう」
なんでわかって……。まるで見ていたような……。
「なるほどな。転んだことから見るに、余程ののろまとみた。その瞳も、他の者とは違うからのけ者にされているのだろう。……村人から追い出されるのも理解できる」
僕は大きく目を見開く。もう何も言えなかった。
そして、忘れていた寒さと頭痛も思い出したように襲ってきた。
目の前の人が唇の片方だけを上げて笑う。
「ふん。だが、村人から必要ないと言われたのなら丁度いい。お前、俺のもとへ来い」
心も体ももう限界だった。
その一言を聞いて、僕の視界は黒く染まる。
最後に見たのはきらきらと星と一緒に輝く、綺麗な黄金の瞳だった。
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