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第9話 見知らぬ場所
眩しい……。
瞼の上から光がさしているのがわかる。
まだ寝ていたい。でも、眩しい。
そうしてしばらく思考を行ったり来たりさせた後、意を決して僕は目を開けた。
目を開けた先にあった光景は見覚えのない、板張りの天井だった。
「ここ……どこ……?」
体に力を入れて、寝ていた布団から身を起こして、周りを見渡してみる。
見覚えのない室内。そして、寝かされているふかふかな布団。
落ち着かず、周りに視線を動かしていると、すっと襖が開いた。
そこには知らない男の子がお盆を持って立っていた。
でも、その子の容姿に驚いた。
白い髪に紅の瞳。
「あ、起きたんですね!」
そう言って、男の子はにこにこしながら僕の近くに来て座る。
「5日も目が覚めなかったから心配してたんです。熱は下がりましたか?」
そう言って彼は僕の方に手を伸ばす。
思わず目を瞑ってしまうと、おでこになにかが触れる感触がした。
驚いて、今度は目を開けて彼の方を見ると、彼が僕のおでこに手を当てていた。
「うん、もう大丈夫そうですね。良かったです!」
そう言ってきらきらした笑顔を向けてくれる。
「はじめまして。ぼくの名前は紅(こう)と言います。よろしくお願いします!」
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