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第10話

※GL風味のお話です。苦手な方は、直ちにブラウザバックして下さい。 (・д・)ノ 「なぁ。アンタ、ヒロくんの事、好きなんやろ?」 バイト帰りに出会たついでに、前から思っとった事を、タケに正面から訊いたった。 いっつもは取り澄ましとる生っ白い顔が、コッチをギロリと睨んだ。 「お前、…ヒロを狙うとるんか?」 ドスの効いた低い声、メチャクチャ黒いオーラ…。 ―おお、こわっ!! 腹黒なタケ―加納武弘とは、真逆な性格のヒロくん―名和啓明は、なかなかの爽やか好青年で、お客さんにも人気がある。 ―まぁ、私には可愛いエリがおるから、どんなにヒロくんから優しいにされても、惚れたりせんけど…。 「ああ、別に私、ヒロくんには興味ないよ。アンタらの関係が気になっとっただけ。そんで?付き合ってんの!?」 「はあ?単なるヒヤカシかよっ!アホくさ!!」 このままやったら、喧嘩になりそうやったから、サッサと用件を言うことにした。 「あんなぁ、ちょっと私と行って欲しい所があるんよ。もちろん、2人で、とは言わへんよ。そうやなぁ、ヒロくんとエリも一緒でどない?」 「ヒロとエリも一緒って…一体どこへ行くつもりやねん?」 タケは邪魔くさそうに、顔をしかめた。 「あのさ…私ら今年こそ、海に行きたいんやわ。」 「は?海やったら、別におれやなくても、ええやろ?むしろ、海行ってナンボでもクミの好みのヤツ、釣ったらええんちゃうんか?」 「あんなぁ、私、アンタと同類でな、…男はアカンねん。ギラギラした目でエリを視姦する男になんか、近寄って来て欲しくないんやわ。」 「…はぁ。そんで?」 「アンタも、ヒロくんと男2人やったら、不自然やん?お互い、カモフラージュには、ちょうどええ人材や思わへん?お互い、知らん間柄でもないから、フォロー出来るやろ。それに、…久々にヒロくんの水着姿、見れるんやで?」 最後に、タケの大好物をぶら下げてやった。 「よし!その話、乗ったっ!!」 そんなこんなで、みんなの前でエリを海へ誘ったら、その場におったヒナも行きたいて言い出して。 そしたら、どこで聞き付けたんか、マツくんまで来るという話になった。 男3に女3。 ごくごくフツーのグループに見えるわ。 それで、ちょいちょい私はエリと… ぐふふふっ! ああー、エリのビキニ姿、楽しみやわ~!! 「おい、岸本。お前、その顔、どないしたんや?」 「あ!店長。お疲れ様でした。」 「ああ、お疲れさん。そしたら、また金曜な。岸本、あんまりハメ外したらアカンで?」 ―ドキッ!! 「はーい、わかりましたぁ。」 そない返事しながらも、明日エリと水着を選びに行く約束を考えたら、ついついニヤけてしもた。

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