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第1話
「うっ、アッハァハァハァ、ひっぃぁぁあん!」
俺は今ヒートによる身体の熱に侵され、名も知らないどっかのお偉いαに抱かれ続けている。
好きでヒートを放置してαを誘った訳じゃない。
俺は十歳のバース診断の結果が出て直ぐ、国の機関に囲われてしまったんだ。
俺のバースは特殊で存在人口の0.1%未満の超貴重種『スーパーΩ』だ。
普通のΩと分けられるのは、いくつか理由がある。
第一に、産まれる子供のバースがスーパーαが80%を超え、残り20%足らずの子供はスーパーΩが産まれる。
第二に、ヒート時の妊娠率が15%程度しかなく、普通のΩのヒート時妊娠率100%に比べると限り無く低い。
第三に、普通のαやΩの組み合わせから超貴重種の子供が産まれる確率はスーパーαとスーパーΩを合わせても0.000003%程しか無いのだ。
第四に、スーパーαとの繁殖のみ妊娠率は90%に跳ね上がる。
こうした理由から国の機関に性処理と繁殖用に囲われて、ヒート時は国の要人である強いαやスーパーαと交わるようあてがわれるのだ。
その為、番防止に頑丈な首輪を強要され、例え性交渉の相手が「運命の番」であっても番う事を許されない。
「ぁあっ、あーっ、ひぃイっぐぅぅっ」
俺が絶頂し、それによって孔が締まれば、四つん這いの俺に乗っかるように腰を振りたくるαは、もう何度目かも分からない大量の精液を俺の子宮に飲み込ませる。
俺は砂賀 隆(さが たかし)二十二歳としての生ではなく、スーパーΩ No.002としての生のみを強制されている。
十五歳で初めてヒートを迎えてから、ヒート時は必ずαと性交渉を強いられ、俺は既に三人もの子供を出産した。
産まれた子供は父親に引き取られ、十歳のバース診断でスーパーΩだった者は、きっと俺と同じ立場にするべく国の機関に囲われているだろう。
もちろん俺には、どちらが産まれたのかも知らされる事も無く、次のヒートまで与えられた部屋で管理される。
正直言うと逃げたいが幼い頃からココに居る為、世間が全く分からない事と体内に埋め込まれたGPSがあり諦めてしまっている。
俺は性奴隷として育て上げられたようなものだ。
一端の人として生きる事は許されないらしい。
俺がここを出れるようになるのは、治療法の無い性病か生殖器が年老いて妊娠が不可能になるかだろう。
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