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第1話 不良不思議キャラ

「黒井! 何度言ったらわらかるんだ! タバコは吸うなといってるだろう? 聞いているのか!? 待て!」 「ハァ……先生も飽きないっすね。落ちこぼれの俺にかまうなんて時間の無駄っしょ? 俺はいいから他の人あたってっていってるじゃけ。俺に言うだけ無駄無駄っすよ。他に相手いるでしょ?」  声のする方に気を取られ、木にぶつかる僕。  今日も先輩は照井先生に構われている。 (いいな先生。黒井先輩に構われたい……)  やっぱり黒井先輩だ!  不良の中曽根先輩を捕まえに行く予定が逃してしまった。まぁいいか。 「白木、大丈夫か!? 全く、黒井には困ったもんだ。白木みたいな優等生を見習って欲しいものだ」 (あー先生に構われてもなぁ、今日も気になる黒井先輩。かっこいいなぁ)  僕はそんなことを考えていると黒井先輩がこっちへ来る。なんだろう? 「ん!」  言葉と共に差し出してきたのは絆創膏。しかも幼稚園児とかが使うキャラモノの。可愛くって思わず笑ってしまうと、先輩はキョトンとして、何か考えると僕の手から絆創膏を奪う。そして、ぶっきらぼうな態度とは裏腹におでこに優しく貼ってくれた。  思わず、『キュンッ』とハートを銃で撃ち抜かれた気分だった。これでウィンクでもされたら死んでしまう。そんな事しないけどね。先輩は。 「黒井先輩!!」 「なんじゃ? 怪我しとるき。貼っただけっす」  先輩は謎キャラ。そんなとこが可愛いと思ってしまう僕は恋の下僕。貴方の奴隷。おまけに吸血鬼のような八重歯がチャームポイントだと思う。クラクラだよ……。  長い髪を短く結っていて、泣きぼくろが色っぽくて、タバコがよく似合う。何より持っている絆創膏が可愛くてついつい笑いがこみ上げてくるけど、お礼いわなきゃ。 「黒井先輩ありがとうございます。少しは風紀委員の気持ちもわかってくださいよ! 遅刻して、堂々とタバコを吸うなんて度胸がすわってていいですが、規則は規則ですよ!」  ついつい、先輩が気になる僕は口を尖らせお小言を言う。先輩はまたキョトンとして、手に飴ちゃんを握らせてきた。なんだろう?

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