4 / 4
第4話
ぼくは怒られるのかと思って、肩を縮めた。
すると、低い声が頭上から落ちてきた。
「......君の事が気になって、ずっと見ていた」
その声は、とても震えていた。
それにそれに、どこか怯えているようだ。
いったい、どういう表情をしているんだろう?
気になって見上げると、真っ赤な顔をした、彼がいた。
その表情を見た瞬間......。
あれ? あれれ?
どうしよう。
胸がドキドキする。
それにそれに、ぼくの顔も熱い。
だからきっとね、真っ赤になっているんだろう。
でも、ドキドキする理由は知っている。
だってね、ぼく。
ずっと気になっていたんだ。
ぼくの絵を買ってくれるその人は、いったいどんな人なんだろうって。
――ああ、どうしよう。
ずっと気になっていた人が、リュシアンだったなんて!!
嬉しすぎて死んじゃいそうだよっ!!
ぼくは、たくましい腰に回している腕に力を込め、ギュッって、リュシアンにしがみついた。
「大好きっ!!」
告白すると、大きな手がぼくの顔に向かって伸びてきて......。
クイッ。
上を向かされた。
大きな唇がぼくの口を塞ぐ。
「..................っふ」
キスされてるんだってわかったけれど、ぼく、もう怖くないよ。
♦♥♦―――♦♥♦―――♦♥♦―――♦♥♦
青ひげ~
秘密の部屋。END
♦♥♦―――♦♥♦―――♦♥♦―――♦♥♦
ともだちにシェアしよう!