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第146話 *
自分で言った言葉をもう一度頭の中で整理してみる。
キングサイズのベッドを買って、二人で使うって・・・・・・
ちょっと言い方が・・・・変だったかな?!
おーはらの事は可愛い。
俺に懐いてくれて、料理も作ってくれる。たまにふてくされる事はあっても、基本的には俺に従っている。
10歳近く離れたガキをどうこうするつもりは無かったけど、アイツの生い立ちが桂に被るところもあって、俺は尚更放っておけない。
ただ、このままじゃ・・・・・
部屋の電気を消して布団に潜り込むと、ドアの前で「小金井さん、入っていいですか?」というおーはらの声が。
「・・・・ああ、どうぞ」
俺はそのまま振り向く事もせずにじっと横になっていた。
ゴソゴソと、いつもの様におーはらが俺にしがみ付く。
横向きの俺にピッタリくっついて、曲げた膝の後ろにおーはらの膝小僧が当たると、尚更暖かい。
もう、時季的には閉め切った部屋の中が熱く蒸せる頃。5月を目の前にすると、流石にくっついて寝るのは暑苦しい。
「おーはら、・・・・・暑苦しいよ。」
ポツリと言うと、身体を少し離した。
「・・・・・」
おーはらの言葉は無くて。
でも、身体を離す事もしないし、俺はそのまま何をするでもなく目を閉じていた。
そのうち、おーはらの右手が俺の胸からへそまでの間をなぞり出す。
暫くそれを繰り返すと、そっと俺の首筋に唇を当てた。
髪の毛が邪魔なんだろう、指ですくうとそれを踏まない様に俺の横顔に覆いかぶさる。
「・・・・・疲れているんじゃないのか?」
横目で見ながら言うと、「疲れている時ほど欲しくなるんですよね。今夜は解してきたから、すぐにできますけど。」と言って俺の前に手をやった。
「・・・・・・」
何かを言わなきゃならないんだろうけど、今の俺にはその言葉が見つからない。
今夜もおーはらに流されるまま、俺は身をゆだねる。
が、今夜のおーはらはいつもと違っていた。
俺のパンツに手を掛けると一気に尻まで下げるが、自分のモノを俺の尻にあてがうようにしてくる。
「おい、・・・何のつもりだ?!」
後向きのまま言ったが、おーはらは俺の肩をしっかり捕まえるとゴリゴリと押し付けて来て、やがてソレが硬くなるとわずかな隙間に入り込んできた。
「コレ、スマタ、です。・・・・気持ちいいでしょ?なんか、僕が小金井さんに挿れてるみたい、で・・・。」
フ、...............んん.......っ
背中に感じるおーはらの吐息が、俺の首筋に伝わるとゾクッとした。
「や、めろ・・・・おーはら・・・」
俺は首を捻って振り返ろうとするが、そのままおーはらの手が頬を掴むと、無理やり口づけをされる。
「・・・・・ぉ・・・はぁぁ・・・」
口を塞がれてそのまま腰を打ち付けられると、昔の記憶が蘇る。
桂と寝ていた俺は、いつもこうして抱きかかえられるように愛された。
僅かな時間を惜しむように、互いの気持ちをひとつに繋げて、でも、挿入はしない事も多かった。
仕事で早出の時もある。そんな日は互いに気遣っていたから。
臀部との隙間に入ったおーはらのモノは、すでに蜜を溢れさせていて、それが俺の後孔を湿らせると変な気分になる。
’変’というのは間違いで、気持ちが良すぎて仕方がない。
初めて疼くような感覚に陥ると、俺はおーはらのモノに手を添えた。
「・・・・・こ、がねい・・・さん?」
唇を離しておーはらが俺の目を覗き込む。
その瞳の奥に見えたのは、桂じゃないおーはらの熱い情念だった。
「挿れたら・・・・・・・・・殺す。」
俺は振り絞る様に言うと、固く足を閉じる。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・!!」
慌てて腰を引いたおーはらは、「ううっ、・・・」と呻くと、俺の背中にたぎったモノをぶちまけ、そのまま力なく横たわってしまった。
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