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第167話 (最終話)

 「小金井さん、........好き...........」 甘い言葉を耳元で囁くと、そのままおーはらの唇が俺の耳朶を食んだ。 ........ぅ、......... 吐息と共に上がる俺の顎に、指を這わすと髭を擦ってくる。そのまま舌先は首筋を伝ってくぼんだ鎖骨へ。 それから胸の中心を執拗に舐めると、今度は俺に跨った。 ..................ジュン...........? おーはらの太ももに手をかける。まっすぐ視線を落とせば、俺の腹の上にそそり勃つモノはゆらゆらと淫猥な顔を覗かせていた。 先端の小さな口から滴るのは光の糸の様で。ソコに手を伸ばすと、親指の先で溝に爪を立てる。 ん.......ふぅ、...................っ 首をグッと後ろに反らせると、絡んだ指を強く握ったおーはら。そのまま肩で息をし出すと、益々光の糸は垂れて来て、俺の腹は水たまりの様になる。 俺は、絡んだ指ごとおーはらの身体を引き寄せた。 目の前にはおーはらの半開きの唇が微かに震え、そこにキスを落とすと、そのまま背中に腕を回し強く抱きしめた。 ..........ぁ,.................. 喜びの吐息を漏らすおーはらも俺の背中にしがみ付く。そうして互いに口づけを交わせば、時間の過ぎるのも忘れる程絡み合う身体とカラダ。 次第に息が上がって来ると、おーはらの後孔に指を這わせる。 腹に溜まった蜜を塗り付けて、くるりとなぞれば.........ぁあ、.....っと、又おーはらの吐息が洩れた。 一本差し込んで、そのまま表情を見つめる俺。グッと眉間にしわが寄るが、おーはらの口元は半分笑っているようで、なんともいやらしくて。その唇に食らいつき舌を絡めれば又指を増やす。 は、....はっ、............ぁっ、 もう充分に解れただろう後孔に俺のモノをあてがうと、ゆっくりおーはらの身体が沈み込んだ。 .........ンくっ、....................ぅうっ............. 俺を呑み込んだおーはらは、眉根を下げて口元に笑みを浮かべる。 「.........キモチ...........イ.........イ.............」 その言葉で、おーはらの腕を引いた俺は下から突き上げた。 「ぅ、ッ.......」と、ほんの一瞬喉を鳴らしたが、そこからはただ俺の顔を見つめたまま身体を揺さぶられている。 おーはらは、瞳の奥を覗きこむ様な仕草で、俺が瞼を閉じても指でこじ開けようとしてきた。それは、まるで俺の瞳に映るのが’誰’なのか確認しているようでもあった。 「......ジュ、ン.............今は、お前しか...........見えていないから.......。」 「............はい、.............」 その言葉で、やっと目を閉じる事が出来た俺は、おーはらの身体を抱き抱えるようにひっくり返すと、しなやかな背中に手を回し奥深くまで突きあげる。 - - -  時間を忘れて絡み合った後、何気なく移した視線はうつ伏せのおーはらの腰で止まった。そこには、彼岸花のタトゥーが更に赤く燃えていて。 炎のような花びらを一枚一枚指の先で確かめるようになぞる俺。 「ふくくっ、くすぐったいっ!!」 と、俺の手を掴んだおーはらだったが、じっと俺の目を見ると言った。 「この花の毒で、あなたが死ななくて良かった。...............もしも死にたくなったら、ここに、.......僕のここに落ちてきてくださいね。僕がしっかり受け止めますから.........。」 「...........ジュン、.............。」 おーはらの頭を抱え込むと、俺は額を擦りつけて口元をあげる。 生意気な小僧に受け止めてもらっている自分を想像した。 「悪くないかも、..............でも、受け止める力を付けておいてくれよな。二人で落ちたくないから。」 「...........分かりました、頑張ります。............」 素直なおーはらの身体を抱きしめながら、そっと瞼を閉じる。 瞼の裏に焼き付いていた桂の顔は、遠い川の向こうで微笑んでいるようだった。 いつの日か、俺の寿命が尽きてそこへ行く事が出来たら、その時はまた俺の手を引いてくれるのかなぁ..............かつら..... 完)

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