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私の両親①
私の名前は石蕗 茉莉 、平凡な高校2年生、16歳。趣味はBL。
はい、立派に腐っております。
それは私の家庭環境が影響しているのかもしれません。
「ただいまー。」
夕方、私が帰宅すると玄関には1週間ぶりに見る大きなスニーカーが脱ぎっぱなしになっていた。私は呆れたように溜息を吐いてそのスニーカーを揃えると家に入る。
「お、茉莉、おかえりー。」
「そっちこそおかえり、智裕 。」
「おう、ただいまー。」
キッチンに立って夕飯の下ごしらえをしている黒髪の短髪の男性、松田 智裕、33歳。
彼は私にとって父親同等の存在である。
「茉莉、テーブルにお土産あるぞ。」
「お土産……あー!これは広島の“ラ・カンパネラ”の広島レモンクリームサンド!テレビでやってた!マジで買ってきてくれたんだ!」
「そりゃあんだけ催促メッセージを送られればな。」
「ありがとー!智裕、一つだけ食べていい?」
「いいぞ。夕飯はパパが帰ってきてからにするからな。」
「やったー!」
私は一旦自分の部屋に戻って制服から部屋着に着替えた。そして再びダイニングへ戻ると、お土産のクリームサンドを一つ取って食べながらキッチンで調理している智裕と談話することにした。
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