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親友とその父③
「ま、まーちゃん…女の子があんまり乱暴なことしちゃいけません。」
「ごめんなさい、パパ……でもね、パパを守んなきゃって思っちゃって…。」
清々しいほど猫かぶってんなぁオイ。
パパさんに「よしよし」と頭を撫でられて、満足そうに笑う茉莉は二度見してしまうほど愛らしい顔だった。あれはパパさん用の人格だけどな。
「パパさん、またナンパされたんですか?」
「あ、のんちゃん。こんにちはー…あ、もうすぐ夜だからこんばんわーかな?」
「パパさん、呑気すぎて私の方がビビります。」
この親子とはかれこれ小5からの付き合いだけど、この父親のおっとりさを娘は1ミクロンも継承していない。顔立ちは美人だから親子なんだなぁとは思うけど…。
「パパ、今日のお夕飯は?」
「昨日のカレーの残りでカレーうどんでいいかな?あとでスーパーでおいなりさん買っていこうね。」
「やったぁ♪」
あ、茉莉、今パパさんの「おいなりさん」って単語に興奮した。うん、いなり寿司でいいよね。おいなりさんって……パパさんが言うとエロ可愛いわ。
「ねぇねぇ、和も一緒に夕飯食べようよ。今日お母さん夜勤って言ってたじゃん。」
「そうなの?じゃあおいでよ、うちも今日は2人だけなんだー。」
そういえば茉莉にぽろっと言ってたわ。よく覚えてんなぁ。あ、私の母は看護師やってるので夜勤の日は夕飯超テキトーです。今日はコンビニ弁当でよろしく、とか朝宣言されたし。
「じゃあお言葉に甘えて…パパさん、お世話になります。」
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