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親友とその父④
もう長年通い慣れた石蕗家にお邪魔する。
「お邪魔しまーす。」
玄関には茉莉のもう1人の父親である智裕さんの職場である「東京スピンズ」の選手のサインボールが何個も飾られている。それと智裕さんの高校の卒業式に門の前で撮ったと思われる家族写真。パパさん、全然変わってない。
「パパさん、なんか魔法でもかかってるの?」
「へ?」
「あ、なんでもないです。」
リビングに入ると茉莉は急いでテレビを点けてチャンネルを合わせる。
「あああ!もう始まってた!チキショー、あのクソガキどもめ…。」
茉莉が合わせたチャンネルは野球中継、もちろん「東京スピンズ」の試合だった。
「まーちゃん、のんちゃん、すぐに出来るから待っててね。」
「あ、何かお手伝いしましょうか?」
「大丈夫だよ。ありがとう、のんちゃん。」
天使スマイルのパパさんがキッチンに立ってる、可愛い。女の私でもキュンキュンする。
『あぁっと!打球がピッチャーの肩に直撃しました!』
「あ!パパ、智裕出てきた!」
パパさん、秒速でキッチンからテレビの前へ移動した。
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