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パパの心配事⑧

 パパに一喝されて私と智裕は2人で皿洗いをさせられている。 「毎回毎回どうして喧嘩するの?夕飯の時はみんな仲良くするって昔決めたよね?」 「ごめんなさい、パパ。」 「ごめんなさい、拓海さん。」 「明日から…また智裕くんいなくなるんだから……。」  あ、パパが良い意味でシュンとした。可愛いぞ可愛いぞ!  そんで隣で皿を拭いてる智裕はパパにすっごく萌えている。心なしか鼻息が荒い。 「寂しい…の?寂しい?拓海さん?」 「え…えっと……。」 「そうだね、今日は茉莉のこともあって寂しかったのに、明日から俺もいなくて寂しいもんねー。」  あーあ、オッサンのスイッチ入っちゃった。 「茉莉、あとは頼んだ!」  智裕は私が「了解」と言う前に皿と布巾を置いて、パパに近寄り、はい姫抱っこ。 「智裕くん⁉︎」 「寂しいの埋めてあげるね♡」  チュッ  私は後ろポケットからスマホを取り出して、その様子を素早く記録した。 「智裕くん!お片付け!」 「お片付けより拓海さん♡」 「智裕……行ってらっしゃーい♡」 「パパの心配事」END

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