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*あとがき*
*あとがき*
この原作『白痴』は超有名文学なので、偉い批評家の方々が沢山論じられているので、私ごときが言わなくてもいいんですけど…汗。
一応二次創作した者として書いておきます☆
普通の現代に生きる私並の人間が読むと、トリがまず悲劇の人だなあって思います。
戦時下の異常事態に沿って今を生きるしかないのに、ひたすら芸術を追い求めることを諦めきれない。
けれど『二百円に縛られた卑小な生活を送るしかない自分』も嫌になるくらい自覚している。
だから内省的過ぎるほど、内省的になる悲劇の人。
そんな中、突然家に上がり込んできた白痴の千秋。
しかもトリが千秋を好きだと、なぜか思い込んでいる。
トリは驚きはするけれど、千秋がまるで『自分のために作られた悲しい人形』のようではないか、と思う。
そして千秋を帰さない。
その癖、千秋の白痴であるがゆえの空虚さを卑下するようなことを思っている。
戦争が千秋を殺しても、土から作られた人形が土に還るだけだと考える。
でも、トリは千秋を絶対離さないんです。
そして絶対見捨てない。
空襲が近づくのが分かっているのだから、爆撃の時の千秋の一滴の涙を醜悪だと思うくらいなら、空襲になれば千秋は足手まといにしかならないんだから、千秋を優に返せばいいじゃないですか。
でも返さない。
トリの方が千秋と一緒にいたいんです。
そして空襲の火の海での二人の逃避行。
ここでトリは初めて本心を告白します。
コクリと頷く千秋に感動し、いじらしさに逆上しそうになり、新たなかわいい人間が生まれ出たと思う。
単なる水を浴びる姿すら貪り見るほどに。
でも危険を通過すると、トリはまた眠る千秋をただの肉塊だと思う。
疲れて鼾をかく千秋を豚そのものだと思う。
幼少期の豚の思い出から、千秋を連想したりする。
千秋を置き去りにすることすら考えて、けれども千秋を捨てる張り合いも潔癖も無い、愛情も微塵も無いと言う。
じゃああの告白は何だったの??って感じですよね(苦笑
でも、明日の希望の無いトリにとっては千秋はあの告白通り『希望』であり、『生きる頼り』なんですよね。
でもトリは『二百円の呪縛』を自覚しているから…。
そしてやっぱり千秋を見捨てずに、巡査に教えられた避難所ではなく、『なるべく遠い停車場』に『二人で』向かおうと考える。
自分と『自分の隣に並んだ』千秋の背中に太陽の光が注ぐだろうかと考える。
寒すぎるからと理由をつけて。
哀しい哀しい純愛だと私は思います。
トリの隣には並んだ千秋が、ずっと一緒にいるんです。
もう毎回私はここで泣いてます笑。
そして終始一貫、無垢な千秋がトリの内省を際立たせています。
白痴の千秋には世間の塵も降りかからなければ『二百円の呪縛』も及ばない。
そんな千秋を守り愛するトリ…
超名作の二次創作ですので失礼に当たり過ぎますので駄文とは絶対!!言えませんが笑、最後までお読み頂きありがとうございました!!
これからもよろしくお願いいたしますm(_ _)m
2018.7.24 久茉莉
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