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プロローグ
俺は付き合ってた恋人に突然振られて隙だらけだった。
お前を忘れたい。
会いたいのに会えなくて……
行き場のない気持ちはただ彷徨うだけ。
いつもの自分なら、しなかった。
真夏の夜の街
名前も知らない奴に付いて行く。
誰でもいい。
一瞬でいいから忘れさせて。
俺をなぞる長い指
温かい温度
痺れるみたいなる快感
優しいキスと抱擁
嘘っぽい位、甘ったるい口説き文句
同じ香水……
他の男に抱かれながら思い出すのはお前の笑った顔や甘い香り。
……………抱き合うだけで幸せだった。
お前がそれを教えてくれたのに。
込み上げる涙をグッと我慢する。
瑛人 ……
どうすればいいんだよ。
お前に会いたい……
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