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第17話
二人でテレビを見てる時
家に突然、瑛人が訪ねてきた。
「瑛人……何しに来たんだよ……」
「やっぱり歩さんが好きだって気付いた。
もう一度、俺と付き合って。」
瑛人は何を言ってるんだ?
やっぱり好き……?
もう一度?
…………一方的に振ったのに。
あんなに苦しかったのに。
「良かったな。」
「葉月……」
暗いトーンの声にドキッとする。
「俺、帰るよ。」
「ま……待てよ。葉月。」
そんな、アッサリ……
前はヤキモチ妬いてたのに。
「今までありがとう。
会社に言ったりしないから心配するなよ。」
葉月が寂しそうな顔をして呟いた。
瑛人が好きだった。
でも、葉月の寂しそうな顔を見たら堪らなくなった。
弱ってる時に一緒にいてくれたのは葉月だ。
葉月の隣は心地良くて……
カチャ
葉月がドアを開ける。
「待てよ!葉月!」
慌てて呼び止める。
「行かないで。歩さん……」
瑛人に抱きしめられた。
「葉月!」
声だけが響く。葉月は振り向かなかった。
「離して。瑛人。俺、行かなきゃ!」
「……彼が好きなの?」
ずっと望んでいた瑛人の心。
「分からない。でも、お前に振られてボロボロだった俺を支えてくれたのはアイツなんだ。
……もう瑛人と付き合えない。ごめん!」
追いかけるけど、葉月には会えなかった。
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