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エピローグ

自分の気持ちはまだよく分からない。 でも…… 『やり直そう。』 そう言ってくれた瑛人を置いて葉月を追いかけた。それが全ての答えのような気がする。 確かめたい。 なのに…… 俺は完璧に避けられていた。 電話は着信拒否。 ラインもブロック。 メールも届かない。 家を訪ねてもいるんだかいないんだか、ドアが開く事はなかった。 仕方なく隣の部署に向かい、入口にいた人に葉月を呼び出して欲しいと頼む。 「申し訳ございません。 今、立てこんでるとの事で後で連絡をしますとの伝言を受けました。」 「そうですか。」 多分、葉月は連絡してこない。 なんだよ…… 無視するなよ。葉月。 葉月の笑ってる顔を思い出したら、胸が痛くなった。 週末、葉月の家の玄関の前で座り込み。 今日こそ、絶対に話を……   「くしゅっ。」 ハッと目を覚ます。 ……や……やば。今何時? 俺、寝ちゃってた?  最近、悩んでて寝不足だったから…… なんか熱っぽい…… 「…………何してんの? まさかと思うけど寝てた?」 目の前には葉月がいた。 「けほ……家に入れてくれる?」 「歩は狡い奴だ。」 文句を言いながら葉月はドアを開けてくれた。 なぁ、葉月。 聞いてくれるか? 上手く説明出来るか分からないけど、お前との時間は楽しくて大事なものだった。 葉月の洋服の裾を掴む。 「…………葉月。俺。 お前と会えなくて寂しかった。」 熱で頭がボンヤリする中、つい漏れてしまった本音。 「この小悪魔……」 葉月は少し赤い顔をして、悔しそうに呟いてから俺を抱きしめた。 葉月……温かい…… 抱きしめられたら、なんだか目頭が熱くなってきた。 その晩。 熱があるのに葉月は何度も俺を抱いた。 キスを交わして指を絡ませて大事に大事に抱かれる。 言葉にできない想いが涙になって零れた。 「泣くなよ。歩……」 そんな事言われても勝手に出るんだ。 葉月の背中に腕を回す。 流されて始まった関係。 …………でも、これからは多分。 きっと………… 【END】

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